自家採種とは
種子ができる野菜から種子が取れ、分裂する野菜からは子が取れます。自家採種とは作った作物から次の世代の種をとることです。
自分で種や子を増やせば、1粒の資産がたった1シーズンで10粒、100粒と増えるわけですから「テンバガー1」どころの話ではありません。
自家採種と聞くと、面倒くさいイメージがあったり、特殊な道具が必要なのでは?と考えがちですが、比較的楽な作業で種子が採れる野菜もあります。
それは、分裂して増える野菜や完熟果を食べる野菜です。
自家採種に向いた野菜
分裂(クローン)で増える野菜、完熟果を食べる野菜には以下のようなものがあります。
分裂して増える野菜
- ジャガイモ
- サトイモ
- サツマイモ
- ニンニク
- 分けつ性のネギ
- イチゴ
完熟果を食べる野菜
- トマト
- 赤ピーマン/唐辛子
- カボチャ
- スイカ
- メロン
- 赤毛瓜(赤モーイ)
- 大豆
- 小豆
- 煮豆用のインゲン
完熟果の種子は、そのまま次のシーズンに種子として播けるので、これから自家採種を始める方にはおすすめの方法です!
自家採種、自家増殖の注意点
固定種を栽培する
ホームセンターなどで販売されている種子の多くは交配種(F1 雑種第一代)の種子です。
交配種は、病気に強い・形がきれいに揃う・輸送時に崩れないなどのメリットがある一方で、雑種であるため子孫が親株と同じ特性を持つとは限りません。むしろ異なる特徴が現れることが多々あります。
在来種や伝統品種は、子が親と同じ特性をもって育ちます。このように特性が固定化されている品種を固定種と呼びます。
自家採種する場合は、固定種の種子を入手して栽培することから始めましょう。
交配種(F1)の種子であっても、数年間同じ形質のものを選抜して採種していくと、特性が固定化されていきます。
時間をかけてオリジナル品種を作っていく楽しみ方もありますね。
登録品種(育成者権)について
優良品種を育成した方の権利を保護するために、登録品種(育成者権)という制度があります。
育成者権者や品種によって自家増殖についての方針が異なるため、登録品種を自家増殖する場合には育成者権者の許諾が必要な場合もあるので注意が必要です。
一般的には、家庭菜園での収穫物の自家消費用増殖は許諾申請の必要がないようですが、収穫物の販売や種苗の譲渡(有償、無償とわず)が目的の増殖には許諾が必要なものもあります。
農林水産省品種登録ホームページの下部リンクから流通品種データベースにアクセスできます。栽培したい品種が登録品種だった場合は、種屋さんか育成者権者に相談してみてください。
在来種や伝統品種などの登録されていない品種や、育成者権が消滅した品種は許諾の必要がありません。
我が家の栽培品種について
我が家では、在来種や伝統品種から自家採種しています。
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証券用語テンバガー(ten-bagger)。株価が10倍になる銘柄。(元は野球で10塁打の意味だそうです) ↩︎